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DKドレーンパイプを併用したユニットネット工法の適用事例

近年、突発的な大雨による激甚災害発生のニュースを耳にする機会が増えています。

雨が降ると、自然斜面の表土は流れ落ちる雨水によって削り取られます。また、土の中に浸透した雨水は地下水位を高めて地盤全体を不安定にさせます。

それらを出来る限り回避するため、排水対策について充分に検討・計画を行い、状況に応じて適切な排水施設を設置することが有効です。

NEXCO東日本・中日本・西日本編著の『切土補強土工法設計・施工要領/構造細目/排水工』に「過去の斜面崩壊例によれば、直接、間接的に水が原因となって起こるものが多い。」として排水工の必要性が記述されています。

崩壊リスクを高める地下水位上昇を抑える効果が期待出来る商品が以下にご紹介する「DKドレーンパイプ」です。

DKドレーンパイプは錆などの経年劣化に強いステンレス製で、パイプの先端にビットを取り付け、小型削孔機を用いて打撃を行い、パイプ自ら推進力を持ちながら打込むことができます。

DKドレーンパイプとユニットネット工法の併用事例紹介

表層土砂崩壊を防ぐ工法として、弊社のユニットネット工法があります。ユニットネット工法は斜面から不動層まで数mの長さの鉄筋を挿入して地表面を50cm角のネットと支圧板と呼ばれる円盤で抑えて表層土砂の安定を図る地山補強土工法です。

表層土砂崩壊抑止機能を有するユニットネット工法と排水機能を有するDKドレーンパイプを併用する事で、より安定した斜面とすることが期待出来ます。その事例をご紹介します。

この現場は斜面内部の地下水位が上昇して斜面下部で崩壊が発生し、それに連動して斜面上部の崩壊が発生しました。斜面の更なる崩壊拡大防止と早期緑化が求められた斜面であったためユニットネット工法が採用され、地下水位の上昇が斜面崩壊に影響していたため、地下水の排出を目的としてDKドレーンパイプが採用されました。ユニットネット工法とDKドレーンパイプを併用することで、斜面の崩壊拡大防止と地下水の排出を両立することが出来ます。

施工から約3か月後の写真です。本現場は斜面崩壊後の災害復旧工事ですので、早期での植生回復を期待して植生マットも併用されました。植生マットの効果が既に出てきていますね。

まとめ

ユニットネット工法は景観に配慮した斜面安定化工法です。

特徴としてはコンクリートやモルタルなどで斜面を覆う事なく、ユニットネットネットとロックボルトを併用することによって表層土砂の崩壊を防止することができます。

斜面安定化工法であるユニットネット工法に加えて、より斜面の安定度を高めて土砂災害の予防効果を向上させるため、排水パイプとしてDKドレーンパイプを併用した事例をご紹介させて頂きました。

情報引用先(出典)

NEXCO東日本・中日本・西日本編:切土補強土工法設計・施工要領:平成19年1月初版

㈱高速道路総合技術研究所:99p:56p

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