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法面の土砂災害対策と景観保全を両立した施工事例:ユニットネット工法

現場状況

土砂災害の法面対策として、法枠工を始め様々な工法があります。

ユニットネット工法という亜鉛アルミニウム合金メッキで加工された鋼より線で作成したネットを使用した鉄筋挿入工(ロックボルト工)を取り扱っています。全国で約65万㎡施工されている実績の一例をご紹介します。

今回ご紹介するのは景観保護を理由に採用された事例です。

愛知県犬山市の現場で、正面には木曽川が流れている場所となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

猿啄城から望む木曽川(日本ライン)と鳩吹山方面の山々(Wikipedia-日本ライン-参照)

木曽川は長野県から岐阜県・愛知県・三重県を経て伊勢湾へと流れる全長229㎞の一級河川で、木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)のうちの一つです。

歴史のある川の周辺であり、景観を守りながら斜面対策を行いたいということで、ユニットネット工法が採用されることとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現場は墓地の裏にある斜面で、施工面積は250㎡程度です。囲われた範囲でユニットネット工法が施工されています。

部材は2tユニック車で運び、墓地前に荷下ろしをしています。

施工箇所の右側からモノレールを敷き、墓地の隅を通り現場まで部材を運んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

施工ヤードは斜面の手前に用意しています。コンプレッサー1台分と多少の部材の仮置きが出来るくらいのスペースがあれば十分です。部材の量によって大きさは変動しますが、施工ヤードが狭くても施工が可能であることもユニットネット工法の特徴の一つです。

施工手順

①割付(マーキング工)

設計図書の通りにユニットネットを敷設できるよう縦と横の基準軸を設定し、PPロープ等で割付を行います。通常、縦方向の基準軸は設計断面と一致するようにします。

②ユニットネット敷設

縦方向の基準軸を起点として、施工升目に沿ってユニットネットを敷設していきます。ユニットネットは出来る限り地表面に密着するように、人力で引き込む程度の張力で設置します。

ユニットネット敷設後、削孔位置の位置出しを行います。削孔はネットの交点部分に行うため、削孔位置の交点には塩ビ管等を差し込み、クリアランスを持たせておくのがポイントです。

③削孔工・鉄筋挿入工・注入打設工

削孔位置のユニットネットを開放し、削孔を行います。今回は足場を使わずに削孔が可能なSD工法での削孔を行っています。削孔機自体は軽量な為、吊り下げワイヤーを操作しながら人力で移設することが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

削孔が完了すれば補強材挿入を行い、ネットを再度組み立てます。その後、グラウトを注入します。

④支圧板設置工・頭部締付工

下部支圧板と上部支圧板でネットを挟み込み、CSナットで頭部締付を行います。

⑤端部処理

ユニットネット敷設範囲の外周をUN鋼より線で囲みます。

UN鋼より線は、UNコイルでネットと繋ぎ、端部はUNグリップを使用して補強材と連結させます。

⑥補正部材作成

規格のユニットネットで対応できない大きな木や、岩があった場合は補正部材を使用して対応します。UN鋼より線を使用して囲うように設置し、周りのネットとUNコイルで連結させます。

⑦施工完了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

施工直後の状況は裸地のようになっていますが、時間が経てば周りの山と同じように草木で埋まっていくのではないかと思います。

今回のように自然を残しながら土砂災害対策を行うことで、見た目に変化が少なくても崩壊の心配を減らすことができます。

斜面対策で自然を残していきたい、狭い場所で施工が難しいという場所ではぜひユニットネット工法の検討をお願いします。

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関連リンク

・ユニットネット工法
https://www.daika-net.co.jp/s04_unit-net.html

・ユニットネット工法に関するよくある質問
https://www.daika-net.co.jp/faq/faq_cat/faq_cat01

・ダイカの斜面防災技術
https://www.daika-net.co.jp/service04_landslide.html

・カタログ・資料ダウンロード
https://www.daika-net.co.jp/catalog

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