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盛土など土工事における排水対策の重要性

子供の頃、砂場や砂浜で砂山を造り、それにトンネルを掘って水を流して遊んだ経験はないでしょうか。砂山を崩さずに上手にトンネルを掘るために工夫して・・・子供ながらに考えながら遊びを楽しんだのではないでしょうか。

私たちは何気ない土いじりの遊びを通して、土(土砂崩壊・盛土・土質など)の特性を感じとっていたのかも知れません。

土の性質・分類

盛土において高さ5m以下の場合、のり勾配が1:1.5(1割5分勾配)より緩ければ安定勾配と定義され、自立した土構造物とされています。

 

 

 

 

 

しかし、これはあくまでも「道路土工/盛土工指針」に記載された標準的な目安であり実際に使用される盛土材の土質や含水量、盛土高さなどから安定勾配かどうか判断されます。

 

 

 

 

 

 

土質に関して言うと、粘性土は土粒子の粒径が細かく粒子間の粘着力が大きいため、比較的急な勾配を維持することが可能です。一方、砂質土は土粒子の粒径が大きく、粘性土に比べて粘着力が小さいため土粒子間の抵抗力がなく滑りやすくなります。

そのような理由から砂質土では緩やかな勾配とする必要があります(砂場で造る砂山も簡単に崩れるのです)。

土と水の関係

土に含まれる含水量(間隙水)も、のり面勾配に大いに影響を及ぼします。適切な含水量は土粒子間の結束力を高め、安定した勾配を維持することを助けます。が、水分過多になると土粒子が離れて土粒子間の結束力は非常に不安定になります。

梅雨や台風シーズンの瞬間降雨量が増加傾向にある昨今、土工事において排水対策の重要度が増していると言えます。事実、盛土や切土の斜面崩壊などの災害は、降雨浸透水の排水不良に起因するケースが少なくありません。降雨によって土の間隙水の飽和度が上昇すると、前述したように土粒子に作用する吸引力が減少して結束力は低下します。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのため、間隙水圧増大から生じる崩壊や土砂の流出による近隣への被害などを引き起こす可能性が高くなります。そのような現象を防ぐために暗渠・地表両方の排水対策を適切に施す必要があります。

排水対策と法面保護

暗渠排水では、有孔管やジオテキスタイル(Geo-Textile)による地下水排除が大変効果的と言えます。有孔管は、耐圧性やフレキシブル性を有した樹脂製パイプが一般的に多く用いられます。

 

 

 

 

 

 

 

構築後の盛土内や地山の水位低減には弊社の打込み式排水パイプ「DKドレーンパイプ(φ48.6mm×L1,065mm)」が有効です。DKドレーンパイプは耐久性に優れたステンレス製の有孔管で、地表面から所定の深さまで打設機械を用いて打撃しながら打ち込むタイプの排水パイプです。

暗渠に対し、地表面を流れる雨水の処理方法として、植生工やU字溝などが挙げられます。植生工と聞くと芝による緑化、すなわち景観を目的とした印象が強いですが、雨水による表土の浸食を防止する効果が期待出来るれっきとした法面保護工の一種です。

 

 

 

 

 

 

 

 

従来、法面保護工と言えば張芝工として切芝を法面に敷き並べて竹ぐしで固定する工法ですが、近年では種子が付着されたシートやマット状の加工製品が多く使用されています。

製品の仕様も様々で、芝の種類や肥料の有無、化学繊維系からヤシ繊維・ワラなど無機質なものまであり、使用に当たって諸条件に合ったタイプの選定が必要となります。

 

 

 

 

 

まとめ

土工事は土砂崩壊リスクなどの自然現象に耐えられる人工的土構造物の構築作業とも言えます。土の含水量は完成後も変化し続けます。それにより土の強度が変わるという観点からも、排水対策は計画から設計・施工管理まで充分に検討・実地されるべき事項だと考えます。

情報引用先(出典)

・社団法人日本道路協会:道路土工 切土工・斜面安定工指針(平成21年度版):平成21年6月:201p

・日新産業㈱:植生マットカタログ