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水抜き排水パイプ「DKドレーンパイプ」の効果と採用事例

DKドレーンパイプについて

概要

DKドレーンパイプは両端にネジ加工(雄ネジ・雌ネジ)を施したステンレス製のパイプ(有孔管)を地山に打ち込むことで、地盤内の地下水を排出させ、斜面の崩壊を防ぐことを目的とした新しい打ち込み式の水抜き排水パイプです。

特長

DKドレーンパイプは従来の水抜きパイプと比較して様々なメリットのある製品です。主な特長は次の通りです。

◎耐久性の向上とコストの低減

有孔管の材質にステンレスを用いているため錆に強く、更に塩ビパイプに比べて破損しにくいことからライフサイクルコストの低減が可能です。

◎施工性の向上

パイプの両端にネジ加工が施されているため、先端ビットの装着やパイプ同士の接続を接続用部材(カプラー)を用いることなく容易に行うことができます。

基本的には、先行ボーリング工を行うことなく、パイプに取り付けた先端ビットを小型削孔機等で打撃することで打設が可能です。大型のボーリングマシンを使用しないため、作業足場や搬入路の仮設を軽減できます。

施工イメージ図

 

◎様々な適用範囲

自然斜面、切土斜面、盛土斜面、あらゆる斜面に対応しています。また、採用事例も多岐にわたり「急傾斜」 「道路防災」 「公園」 「治山」 「農業」等、様々な分野で採用されています。

DKドレーンパイプの効果と今後の展望について、採用事例をもとにご紹介します。

採用事例 -急傾斜地崩壊対策工事-

今回ご紹介する採用事例は、2017(平成29)年度に滋賀県で実施された急傾斜地崩壊対策工事です。

◎工事概要

発注者:滋賀県

工事名:成谷 補助急傾斜地崩壊対策(総流防)工事

工事場所:滋賀県栗東市荒張

施工日:2017年11月

当該現場は人家裏の急傾斜地崩壊対策工事として、法面全面に植生マットを敷設し、一部箇所に鉄筋挿入工(ロックボルト工)を施す計画で、当初水抜きパイプは計画されていませんでした。施工は順調に進んでいましたが、施工中に植生マットのみ敷設した範囲で局所的な湧水が見受けられ、斜面が湿潤状態であることが確認されました。湿潤箇所を放置することで地下水や表流水が斜面へ悪影響を及ぼし、新たな小崩壊が発生することが懸念されました。そこで斜面内の地下水を排出することを目的として、施工業者からの追加施工提案をしてもらう形で、DKドレーンパイプが採用されるに至りました。

写真は実際の施工時の様子です。斜面中腹の小段にある湿潤箇所付近を狙ってDKドレーンパイプを打設しました。長さは1箇所あたり2.0mで、3箇所の打設を行いましたので計6mの施工となりました。DKドレーンパイプは1本あたり1.0mで、両端にネジ加工がされていますので現場の状況に合わせて1.0m毎に繋ぎ合わせることが可能です。

次の写真は施工時の現場状況です。施工箇所の斜面下方部の人家裏(青枠)付近も斜面が湿潤状態であることが分かります。斜面中腹で水抜きを行うことで、斜面中腹~下部までの一帯の湿潤状態を少しでも解消させることが今回の目的です。

次の写真は施工が完了した状況です。計3箇所のうち1箇所は打設直後から排水している状況でした。残り2箇所からは排水が見られません。施工当日および前日までは晴天であったことも影響しているかもしれません。降雨により地下水位が上昇した際にDKドレーンパイプによる水抜きを期待出来ますので、この後定期的に経過観察を行っています。

施工後の経過観察

施工後は定期的に経過観察を実施していますので、一例をご紹介します。

①2018年7月

施工後約8ヶ月、梅雨時期に経過観察を行った様子です。

DKドレーンパイプ3箇所のうち2箇所からの排水を確認出来ました。

斜面全体の様子です。斜面は健全な状態を保っています。斜面下部について、夏時期のため植生マットの草丈が伸びており写真での確認は困難ですが、湿潤状態は解消されていることを確認しています。

湧水の状況を見て水の流れをある程度推測し、現場毎に打設位置の検討を行いますが、打設を行った全箇所から排水されるとも限りません。水の流れは天候等による変化もありますので、地中の状況を正確に把握するのは困難であり、水抜きパイプを設置するにあたっての難しいところでもあります。

ただし、斜面の湿潤状態が解消されていることから、少なくともDKドレーンパイプの効果があったと考えられます。

 

②2022年8月

続きまして、施工後4年9ヶ月後の経過観察の様子です。

こちらも同様に、DKドレーンパイプ3箇所のうち2箇所からの排水を確認出来ました。

 

③2024年2月

最後に、施工後5年3ヶ月後の経過観察の様子です。

DKドレーンパイプ3箇所のうち1箇所からの排水を確認出来ました。

斜面下部の様子です。植生マットが冬枯れの期間に入っていることも影響し、斜面の状態をよく観察することが出来ました。法面表面からの湧水は見受けられず湿潤状態は解消されています。DKドレーンパイプの施工を行うことで斜面内の地下水を排出し湿潤状態を解消するという当初の目的を達成していると言えます。

DKドレーンパイプの今後の展望

様々な特長を有するDKドレーンパイプですが、その中でも打設機械についての一例をご紹介します。

こちらは前述の滋賀県内の施工現場にて使用した打設機械です。この打設機械は削孔補助用ガイドセル付の削岩機(30kg級)をロープ足場により削孔することを標準としているため、非常にコンパクトで軽量です。また、この打設機械に限らず、DKドレーンパイプ専用の機械を準備する必要はなく法面業者が普段から使用している機械で打設することが可能です。

今回現場の施工においては、当初より本工事自体に鉄筋挿入工(ロックボルト工)が含まれていたため、使用した打設機械をそのまま流用することが出来ました。鉄筋挿入工(ロックボルト工)の現場において施工時に湧水箇所が見受けられた場合は、機械の搬入・撤去の観点からもDKドレーンパイプを追加施工として提案して頂くことが容易です。

 

DKドレーンパイプは施工時に追加施工での提案を多く頂き実績を重ねてきました。勿論、計画段階で湧水が見受けられる場合は設計書に入れて頂くことも可能です。従来の水抜きパイプ(塩ビ管等)の代替品として使用できますので、ご検討の際もイメージしやすいと考えています。

また、大規模な土砂災害対策工事の施工と比べると少額で施工が可能ですし、ご予算の関係で大規模な施工が難しい場合や施工時の追加施工提案の際にも貢献できます。

 

近年、台風や集中豪雨による土砂災害が全国各地で発生しています。水抜きパイプを打設することで地中の地下水位を下げ、土砂崩れの要因を少しでも減らすことが重要と考えます。DKドレーンパイプは抑止工(斜面崩壊そのものを防ぐ工法)ではありませんが、打設することで少しでも斜面の健全化に貢献できると考えています。水抜きパイプは、工事の中でも実は大変重要な役割を果たしているのです。今後も水抜きパイプの需要が続くことを期待しています。

 

DKドレーンパイプは優れた施工性・耐久性を兼ね備え、様々な斜面にも対応した製品です。新規の計画や追加施工提案時にご検討頂けると幸いです。

大規模な対策は出来なくとも、せめてDKドレーンパイプを使った水抜きだけでもいかがでしょうか。お気軽にお問合せ下さいませ。