はじめに
近年、都市の緑地や公園は単なる休憩場所や遊び場にとどまらず、地域住民のコミュニティ活動を支える重要な空間としての役割を担っています。
しかし、公園の整備や改修においては限られたスペースを有効活用し、環境に優しい方法で作業を進めることが求められています。
ユニットネット工法は、既存の樹木を残しながら、短期間で法面を安定させることができるため、多くの公園や緑地で採用されています。
今回は、千葉県千葉市にある亥鼻(いのはな)公園でユニットネット工法を施工した事例をご紹介します。
亥鼻公園は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて強大な力を持った武士・千葉氏によって築かれた亥鼻城(千葉城)の跡地に位置しています。
現在、亥鼻城自体の建物は残っていませんが、城跡には土塁や堀の跡が見られ、その歴史的価値を感じることができます。
また、亥鼻公園はソメイヨシノが多く植えられており、桜の名所として春には多くの人々が訪れます。
美しい自然と調和を維持しながら、公園の安全性(斜面防災)を向上させるためにユニットネット工法がどのように活用されたのかご紹介します。
亥鼻公園(千葉県)にてユニットネット工法を施工した事例
この公園の整備において、千葉市役所から、桜をはじめとした樹木の保存を強く要望されたため、既存の樹木を残しながら施工可能なユニットネット工法が採用されました。
ユニットネット工法は、法面の安定を図りながら、自然環境への影響を最小限に抑えることができるため、このような場面で非常に適しています。
施工前の現場は、多くの竹が生い茂っていました。ユニットネット工法は既存樹木を残しながら施工可能な工法ですが、竹林の場合、多くは伐採しております。理由として、成長速度が速いこと、密集しているため作業上どうしても邪魔になる部分があることなどが挙げられます。
現場の特徴
施工が行われたのは7月で、まさに梅雨の時期でした。
伐採や切土を行った部分の一部に、非常にサラサラとしている砂浜のような土質の箇所がありました。この部分について、施工業者の提案により、施工時の安全性を保つために浸食防止剤を使用しました。
これを斜面に吹き付けると、土粒子と結合し、保水性・通気性に富む固結層を形成して客土が固定され、降雨の流入を防止します。通常、このような浸食防止剤を併用してユニットネット工法が施工されることはありませんので、珍しい事例です。
施工後、台風や土砂降りの天候が続くこともありましたが、浸食防止剤の効果で表土の流出も見られず斜面の安定を保てた様子でした。
施工完了から1年ほど経過すると、施工前とほぼ同じ状態に戻り、周囲の環境に溶け込んでいます。浸食防止剤の影響もなく、植生も順調に回復し、公園の景観に自然な形で調和しています。
まとめ
施工範囲が2,200m2と比較的広かったため、工事は3つの工区に分けて行われましたが、1期目の工事完了から2年が経過した現在(2025年)では、工区の境目が分からないほど植生が回復しています。
無事にユニットネット工法で、多くの人々に親しまれている亥鼻公園の景観を保ちつつ安全性を確保することできました。
土砂災害というと山奥での災害を想像する方が多いと思います。亥鼻公園は市街地にありますが土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されていました。今回対策を行ったことで、今はまだ解除には至っていませんが、将来的に解除される見込みだと聞いております。
誰の身近にも土砂災害を含めた災害のリスクがあります。土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は各県のHP等で確認する事ができますので、一度お住まいの周辺をご確認してみてはいかがでしょうか。
ユニットネット工法が提供する環境に優しい施工方法は、今後も都市の公園や緑地の整備において重要な役割を果たしていきます。
情報引用元(出典)
ようこそ千葉ゆかりの地「亥鼻公園」へ
https://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kanri/chuo-mihama/inohanap-top.html
関連リンク
・ユニットネット工法
https://www.daika-net.co.jp/s04_unit-net.html
・ユニットネット工法の導入事例
https://www.daika-net.co.jp/kouhou/unitnet
・ユニットネット工法に関するよくある質問
https://www.daika-net.co.jp/faq/faq_cat/faq_cat01
・ダイカの斜面防災技術
https://www.daika-net.co.jp/service04_landslide.html
・カタログ・資料ダウンロード
https://www.daika-net.co.jp/catalog





