学校施設の斜面防災強化:安心して学べる環境と災害時の避難所としての機能を整える。

斜面災害リスクを抱える学校施設様必見!!

ユニットネット工法でレッドゾーン解除を実現し、児童生徒の安全と景観を守る防災対策をご紹介します。

はじめに

近年の豪雨災害や土砂災害の頻発により、学校施設の防災強化が重要な課題となっています。文部科学省の調査によれば、令和2年時点で全国の約4,192校(公立学校全体の11.2%)が土砂災害警戒区域内に立地しています。

学校における災害対策は避難計画・避難訓練の実施などによるソフト面と避難所として機能を果たすべく学校自体が安全であることのハード面の両面が求められます。建物の老朽化対策と合わせて対策を講じることは、いざと言う時の児童生徒の安全に大きく関わります。

今回は学校敷地における斜面防災の重要性と効果的な斜面対策について、特に、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)解除の鍵となる斜面対策工法「ユニットネット工法」を採用しての学校施設と子どもたちを守る取り組みをご紹介します。

学校施設に迫る斜面災害リスクと対策の重要性

日本は地形的に急斜面が多く、学校の敷地が山腹や丘陵地に位置するケースも珍しくありません。そのため、大雨による斜面崩壊(がけ崩れや土石流等)が学校施設を直撃し、建物被害や人的被害を生じるリスクがあります。

実際に近年では、学校周辺での水害や土砂災害により甚大な被害が発生しています。文部科学省の調査結果では、全国の公立学校のうち約11%が土砂災害警戒区域内に立地しており、その多くは地域防災計画で要配慮者利用施設(災害時に配慮が必要な人々が利用する施設)に位置づけられています(浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地する学校に関する調査の結果について)。

学校は児童生徒の学び舎としてだけではなく、安全確保することで、災害時には地域の避難所として機能する重要な施設です。つまり学校の安全性向上は、地域全体の防災力向上にも直結します。こうした背景から、学校施設では従来以上に斜面対策(崩壊防止措置)の強化が求められています。

斜面対策とは、崖や法面の崩壊を防ぐために補強工事や排水設備の設置などを行うことです。適切な斜面対策を講じることで土砂災害のリスクを低減し、校舎やグラウンドを安心して利用できる環境を整えることができます。

(写真:福岡県内高校敷地法面に対してユニットネット工法を施工。のちにレッドゾーン解除)

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは?

学校敷地が位置する斜面の危険性が高い場合、行政によって「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に指定されることがあります。

レッドゾーンとは、急傾斜地の崩壊等により建築物が壊れ住民の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められた区域のことです。この区域に指定されると、住宅や学校施設などの建築・改築など特定開発行為を行う際に都道府県知事の許可が必要になるなど、法的な制限が課されます。一方で、十分な安全対策を講じ斜面崩壊の危険が低減できれば、レッドゾーンの指定を解除(レッドゾーン解除)できる可能性があります。

国土交通省の土砂災害防止対策基本指針でも、「新たに土砂災害防止施設等が設置されるなどして特別警戒区域の指定理由がなくなった場合は、当該区域の全部または一部について速やかに指定を解除することが望ましい」と記載されています。

(写真:桜の樹がある小学校敷地内斜面をユニットネット工法で施工した事例)

現在では、学校敷地内の危険な斜面を強化し、レッドゾーン解除を実現した事例も出てきています。

上の写真は、ユニットネット工法を施工した学校敷地内の斜面で、施工後の春に撮影されたものです。ご覧のように斜面上の桜の木を伐採することなく補強工事が完了しており、施工後も変わらず美しい桜を眺めることが出来ます。この学校では土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されており、環境や景観への配慮から樹木を極力残せる対策方法が模索され、ユニットネット工法が採用されました。施工の結果、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定が解除されています。

さらに、このユニットネット工法は従来工法(法枠+鉄筋挿入工等)に比べ工期を短縮できるため、長期休暇中など限られた工期で施工を終えたい場合にも適した方法です。学校は授業への影響や工事に伴う騒音の問題から、できるだけ短期間で対策工事を完了させたいというニーズがあるかと思いますが、ユニットネット工法の採用によって工期短縮が可能となります。

ユニットネット工法とは、環境に優しく高い補強効果を発揮するエコロジカルな斜面補強工法です。この工法では「ユニットネット」と呼ばれる約50㎝角のネットとロックボルトと支圧板を組み合わせ、斜面表層を安定化させます。

従来、斜面崩壊対策として一般的だった法枠+鉄筋挿入工は、確かに強固ですが斜面上の樹木を伐採しコンクリートで固めてしまうため、自然環境の破壊や景観の悪化という欠点がありました。また重機が入れない狭い場所では施工が難しく、工期やコストも大きくなりがちでした。

これに対しユニットネット工法は、斜面の地形を活かしつつ、ユニットネットで斜面表面を覆う開放型の補強構造を形成します。斜面に点在する樹木はそのまま残し、ネットを樹木の間に張り巡らせて補強するため、既存樹木の保護や景観の保全が図れます。さらに緑化工法と併用すれば、施工後に斜面全面を緑化することも可能で、コンクリートで覆った場合と比べ自然な景観を維持できます。

ユニットネット工法は世界遺産の熊野古道、金閣寺付近など景観保全が重視される場所で活用された実績もあり、その効果と信頼性が高まっています。こうした技術を学校施設の安全対策に取り入れることで、「安全性の向上」と「景観・環境との両立」を同時に実現することが可能となります。

(写真:大学敷地斜面、法枠の横にユニットネット工法を施工)

まとめ:学校施設の防災強化とレッドゾーン解除に向けて

【ユニットネット工法が解決する3つの悩み】

1.授業があるので出来るだけ騒音が出る工事期間を短くしたい

→従来工法より施工工程が簡素化されており、工期短縮が可能です。

 

2.コストを出来るだけ抑えたい

→軽量な部材を用い、施工が簡素化され従来工法よりコスト縮減が可能です。

※斜面の条件を踏まえた検討結果によります。

 

3.景観を損ないたくない

→コンクリート構造物の様な見た目の圧迫感は無く、景観を損ねません。

 

学校施設における防災強化、とりわけ斜面崩壊対策は、子どもたちの命を守り安心して学べる環境を整備するうえで極めて重要です。近年の気候変動による土砂災害リスクの高まりを踏まえると、危険な斜面を抱える学校では早めの対策が求められます。

今回ご紹介したユニットネット工法は、従来工法では困難だった景観保全と安全強化の両立が可能となります。斜面対策の結果、レッドゾーン解除が実現すれば、学校関係者や保護者、地域住民にとっても大きな安心材料となります。防災対策は「備えあれば憂いなし」です。実績のある斜面対策技術を積極的に取り入れ、安心・安全な学校づくりを進めることが、未来を担う子どもたちの命と地域の安全を守ることにつながります。

情報引用元(出典)

  • 文部科学省「浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地する学校に関する調査の結果」(令和3年)                                                                                   https://www.mext.go.jp/content/20221005-mxt_kyousei02-000025303.pdf
  • 国土交通省「土砂災害防止対策基本指針」(※土砂災害特別警戒区域の指定解除に関する指針)                                                                                   https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/content/001357554.pdf

関連リンク

・ユニットネット工法
https://www.daika-net.co.jp/s04_unit-net.html

・ユニットネット工法の導入事例
https://www.daika-net.co.jp/kouhou/unitnet

・ユニットネット工法に関するよくある質問
https://www.daika-net.co.jp/faq/faq_cat/faq_cat01

・ダイカの斜面防災技術
https://www.daika-net.co.jp/service04_landslide.html

・カタログ・資料ダウンロード
https://www.daika-net.co.jp/catalog

・関連コラム「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)解除の施工事例紹介:ユニットネット工法」

https://www.daika-net.co.jp/column/p_2844.html

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